ツアーの感想
まず、今回のようなツアーを企画および運営してくださったガイドの宮口さんと篠原さんに心から感謝申し上げます。本当に自分たちにとって意味のある時間を過ごさせていただきました。
今回見た中で一番ショッキングだったのは、宝立地区の家屋の崩壊具合でした。ここまで家という家がペシャンコに潰れていて、そのまま放置されている様子は、正しく報じられているのだろうか?と感じました。
海の向こうの見附島も、地震で見た目が大きく変わってしまったそうです。月並みな表現になりますが、今当たり前のようにあるものは、決して当たり前ではない。今、周りにあるものや人を、改めて大切にしたいと思いました。
また、災害ゴミ集積場は想像以上に大きく、東京で同じことが起こった場合、果たしてこのような場所が確保できるだろうか?と思い、あまりに人口が密集している場所は危ないなと感じました。
印象に残ったエピソード
ガイドさんは被災直後から炊き出しの指揮を取られていたと聞きました。他の被災者の方から「食べ終わったんだけど、どうすれば良いかね?」と聞かれ、「自分で食器を洗ってください」とストレートに言ってしまうと揉め事になってしまうので難しい、というお話が印象的でした。
人間、基本的にはまず自分を満たすことが大事だと思いますが、このような状況では「自分さえ良ければ良い」という考えの人が多ければ多いほど、避難所の雰囲気も悪くなってしまうことを学びました。そもそも避難所の雰囲気にまで思いを巡らせたことがありませんでした。
日頃から、「言われなくても考えてやる」「相手の立場に立って思いやる」「他人に少しでも優しさの手を差し伸べる」「孤立せずグループと関わり、助け合う」、これらのことを意識して生活していれば、それだけでも災害への備えになると感じました。
今後参加を検討される方へのメッセージ
自分が被災地に対してできることを考えたときに、「被災地ツアーに参加する」という選択肢が頭に浮かぶ人は少ないと思うし、私もそうでした。むしろただ被災地を視察して回るなんて、被災者の方に失礼なのでは?と思っていました。
でも参加してみて、「もし自分が被災したら」ということを考えるきっかけには間違いなくなりました。それも、必要な物資などの表面的なことだけでなく、「人として自分がどう考え、動けるか」という、どちらかというと日頃の振る舞いや生き方そのものについて深く考えさせられました。
だから、ネットで募金して「やることはやった」と自分を納得させたり、自分だけお米を買い込んで備蓄したりしている場合ではなく、現地に行って話を聞いて、感じて、考えて、日頃の生活に活かして欲しいなと思います。被災地のためだけではなく、自分自身のために。そうすれば、直接能登の皆さんの役に立てるかどうかは分からなくても、周りの誰かの役に立てるかもしれないし、それが回り回って能登の皆さんを助けることになるかもしれません。
と偉そうに言っていますが、そんな私も最初は行こうかどうかずいぶん迷いました。でも行って本当に良かったです。
一番言いたいことは、「今、能登に行って良いんです」ということです。現地の方も「楽しんで帰ってもらえれば良い。大変なことは大変だけど、かわいそうとか思わないで欲しい」とおっしゃっていました。だから行きましょう!
この度はリブート珠洲の復興支援ツアーにご参加いただき、誠にありがとうございました。皆さまのお気持ちが、珠洲の復興にとって大きな力となっております。