参加者の声

早稲田大学法科大学院の皆様が参加した珠洲復興支援ツアー

震災の現場を訪れ、法的課題を探るための早稲田大学の皆様の体験談

2024年9月、早稲田大学法科大学院震災復興支援クリニックの代表・須網隆夫教授(早稲田大学大学院法務研究科教授)が率いる学生と教員たちが、令和6年能登半島地震の被災地である珠洲市を訪れ、現地調査を行いました。

震災復興支援クリニックの取り組み

震災復興支援クリニックは、2011年3月11日に発生した東日本大震災を契機に、早稲田大学法科大学院の教員と学生たちによって設立されました。これまで、主に福島県浜通り地域において自治体、事業者、住民への聞き取り調査を通じて、震災直後から浪江町と密接に連携し、現地のニーズに応じた支援活動を行ってきました。その主な目的は、復興支援における法的課題の解決を図ることです。

宝立町避難所 本部長 多田進郎さん

能登半島地震の被災地での現地調査

今年、令和6年能登半島地震を受けて、震災復興支援クリニックのチームは新たな調査を行いました。調査の目的は、能登半島地震の被災地域における法的課題の発見と解決を支援するためです。

調査方法: 珠洲市を含む能登半島の被災地域にて、自治体、事業者、住民に対する聞き取り調査を実施
調査実施期間: 2024年9月8日(1回目)、2024年9月11日(2回目)
調査参加者: 早稲田大学大学院法務研究科の学生、修了生(弁護士を含む)、教員

朝日自主避難所所長(区長/地区消防団長) 高重幸さん

調査活動・聞き取り調査

1回目の調査は復興支援ツアー終了後、午後から以下の方々に対して聞き取り調査を実施しました。

宝立町避難所 本部長 多田進郎
朝日自主避難所(地区消防団長) 高重幸
宝立町避難所 本部長補佐(宝立公民館長) 佐小田淳一

震災復興支援クリニックの目的は、この調査を通じて得られた情報を分析し、法的な課題を解決するための支援活動を展開していくことです。リブート珠洲では、今回の調査は復興支援ツアーへのご参加を通じて、珠洲市における被災地の現状とニーズを深く理解する貴重な機会をご提供できたと思います。

宝立町避難所 本部長補佐(区長/宝立公民館長) 佐小田淳一さん

※語り部への聞き取り調査は復興支援ツアーのオプションになります。


ツアー参加者の声

参加者:ガーベラさま

ツアーのご感想:
ツアーに参加して、大地震の怖さを目の当たりにしました。基礎から壊れた橋、傾いた電柱、潰れた家、通り一帯に崩れた家と瓦礫が並んでいる様子、津波の痕跡、どれも今まで遠い出来事として認識していた震災被害が視界いっぱいに広がり、長く続いた日常生活が崩壊するのも突然であることを見せつけられました。震災への認識が変わったツアーでした。

印象に残ったエピソード:
地震発生後に5分ほどで津波が到達した地域は逃げる時間もなく、建物の2階部分で無言で波が引くことを祈ることしかできなかったとの説明が印象に残りました。

今後参加を検討される方へのメッセージ:
発災後の混乱がある程度収まり、一方で震災の爪痕が大きく残った今だからこそ見える景色が多くあります。震災への意識が大きく変わりますので、興味を持っている方は、今がお勧めのツアーに参加してみてはいかがでしょうか。


参加者:Kさま

ツアーのご感想:
能登半島地震の被害について報道されることも少なくなってきた中、実際に来て自分の目で見てみる必要があると感じていました。ツアーの前日、珠洲市内を回ったところ、1階が潰れるような形で倒壊した建物や、亀裂が入って通行止めとなっている道路など、復旧・復興があまり進んでいない印象を受けました。ただ、この状況が震災からそのままの状態なのか、ある程度復旧・復興を進めた状態なのかの区別はつきませんでした。ツアーの中で、ガイドの宮口さんから地震による被害と津波による被害をそれぞれご説明いただいたり、発災直後から今日に至るまでの時系列に沿って復興の状況をご説明いただいたことで、土地勘や被害の規模が曖昧なまま見ていた風景を、少し整理して見ることができるようになりました。

印象に残ったエピソード:
私の肩ほどの高さまで隆起したマンホール、地震の影響でずれてしまった橋桁、津波が海に戻る力で流れ着いてしまった家など、地震や津波の破壊力の大きさを改めて実感しました。また、排水ができず洗濯・風呂・トイレの利用が著しく不便になっていることなど、被災地で復興に向けて生活していくことの大変さを強く感じました。

今後参加を検討される方へのメッセージ:
自分で珠洲市内を回っただけでは漠然としかわからなかった被害状況を、一層詳しく知ることができます。ぜひご参加ください。

その他のコメント(任意):
篠原さん、宮口さん、私たちをツアーに参加させてくださり、誠にありがとうございました。


参加者:kaさま

ツアーのご感想:
ご自身も被災して復興のために尽力してこられたガイドの方から直接お話を聞くことができ、これまでのご苦労がひしひしと伝わってきました。また、これまで報道等で見聞きするだけでは具体的に被害状況をイメージできない部分もあったのですが、今回徒歩や車で街並みを見させていただくことで、被害の規模やその程度の大きさを実際に感じることができました。

印象に残ったエピソード:
倒壊した民家だけでなく、被災したことで廃業してしまった店なども散見されました。また、キリコが保管されていた倉庫も壊れており、災害により変わり果ててしまった街の様子が感じられ、胸が痛くなりました。

今後参加を検討される方へのメッセージ:
SNS等で情報を入手しやすい時代ですが、現地で実際に見ることでしか感じられない空気感もあると思うので、参加をお勧めします。


参加者:髙橋さま

ツアーのご感想:
被災箇所への誘導、被災状況の説明、被災者の思い、住民としての悩み、不安などや地域の問題課題など盛りだくさんのご説明に感謝しています。

印象に残ったエピソード:
避難所となった小中学校の食料備蓄が、避難訓練時に配布したまま補充がされていなかった。帰省者や観光客が加わり避難想定者の数倍の避難者が避難所を頼ったが、おかげで若い人手が多くあり、捜索や救助などで助かった。必要な支援を市役所に要請しても動きがないので、全てを被災者が協力して行わなければならなかった。個人で備蓄していた食料を個人で口にすることは憚られ、供出して避難者全員の食糧の足しにしたなど、被災後の避難所生活のエピソード。

今後参加を検討される方へのメッセージ:
一度参加して、被災を自分事として考える機会を作っていただきたい。それがいざという時に、ご自身を守ることにつながります。

その他のコメント(任意):
またお邪魔してもっとお話を伺いたいと思っています。


参加者:Pさま

ツアーのご感想:
ニュースなどで地震の被害の様子を見たことはありましたが、実際に倒壊した建物を見て改めて被害の大きさを実感しました。ツアーでは、ただ建物の解体が進んでいない様子や、道路がずれてしまっている様子を見るのではなく、ガイドさんの説明を聞きながら被害を受けた場所を回ったため、震災時の状況が具体的にイメージできました。ツアーに参加して良かったです。

印象に残ったエピソード:
家で防災グッズを持っていても、持ち歩いていなければ意味がなく、コンビニやスーパーが災害時には食料を配れるような体制を作るべきだというお話が印象に残りました。

今後参加を検討される方へのメッセージ:
震災に対する意識を持つきっかけになると思います。既に意識を持っている方も、自分の目で見ることで災害について考えることができると思います。


参加者:Yさま

ツアーのご感想:
まず、現地を訪れて衝撃を受けました。町の至る所の家が地震で崩れており、さらには津波で流されて全く別の所に流れ着いた家や解体され瓦礫の山と化した家も多くあり、道路や橋もボロボロで、復興が進んでいるとは到底言えない状況が広がっていたからです。また、家具や子供のおもちゃなどが家の中に散乱している様子を見て、そこには人々の生活があったのだなと実感するとともに、閑散とした街を目の当たりにして地元民ではない私までもショックや悔しさを覚えました。しかし、悲しみを抱えながらもみんなで支え合い前を向いて懸命に生きている町の皆様の姿に勇気をいただきました。今回、実際に被災された方から直接お話を聞けたことでニュースよりもリアルなお話が聞けて、被災地を取り巻く様々な問題も知ることができました。そして、現地は別世界のようでしたが地震は他人事ではありません。地震が来た時にはどうしたら良いのか、今できる事は何かを考える貴重な機会となりました。参加できて本当によかったです。

印象に残ったエピソード:
観光名所である見附島の一部が崩れてしまっている光景が印象的でした。長い間町のシンボルだったものが一瞬にして変わり果てた姿になってしまうという津波の恐ろしさを感じました。また、石川県の伝統的なお祭りに使われるキリコが流されてしまい、今年の開催を断念せざるを得なくなったという話も印象的でした。家だけでなく住民の方々にとって大切な場所や伝統行事なども奪われてしまった無念さを感じました。

今後参加を検討される方へのメッセージ:
実際に自分の目で見るとより一層現実がわかり、自分を見つめ直すきっかけにもなると思います。多くの方に参加してほしいです。

その他のコメント(任意):
まだまだ大変な状況が続いていると思いますが、様々なお話を聞かせてくださり本当にありがとうございました!ツアー後、被災した方たちのためにできることや防災について考えています。一日でも早い復旧・復興を願っております。


参加者:こいぬーさま

ツアーのご感想:
倒壊した家屋や斜めになった電柱など、目に見える多くのものが東京で過ごす日常とかけ離れていて衝撃的でした。倒壊した家屋には被災されるまでの生活を感じさせる家具が残り、被災の身近さを感じることができました。現地を訪れ実際にお話を伺うことで災害への向き合い方を考える機会になりました。ありがとうございます。

印象に残ったエピソード:
避難所での生活に関するお話が印象的でした。避難所の運営や食事はどう準備するのかといった生々しいお話はとても勉強になりました。

今後参加を検討される方へのメッセージ:
ツアーに参加することで、どこか遠い被災地の話ではなく自分と同じ普通の人たちに起きたことだと実感できると思います。


参加者:Yさま

ツアーのご感想:
月並みな言葉になりますが、ツアーに参加できて本当によかったです。率直な感想として、自分の目で見てみないと本当のところは分からないなと改めて思いました。元旦に地震が発生して、たくさんの報道を目にしましたが、どこか他人事だったというのが本音です。しかし、地震から8か月経った珠洲の現状をこの目で見て、やはり他人事にしていてはいけない。いつ災害が発生するか分からないからこそ、教訓を必ず次に活かす必要があると強く感じました。

印象に残ったエピソード:
見附島までの道が地震で沈んでしまったこと、島が崩れてしまったこと、津波で流されてひっくり返った建物、浮き出たマンホール、折れた電柱、目の当たりにした光景は衝撃でした。また、まだ仮設住宅に入れていない方もいると聞き、日々の生活は当たり前ではないのだと感じました。

今後参加を検討される方へのメッセージ:
実際に自分の目で見て感じるものを大切にしてほしいと思います。今は、SNSやネット検索で情報の手に入りやすい社会かもしれません。でも、足を運んで、現地の方の話を聞いて、分かることも多いと思います。目まぐるしく移り変わる日々の中で、少しでも他人に向ける優しさを自分も持てるようになりたいと思いました。

その他のコメント(任意):
ガイドしてくださった宮口さん、そして代表の篠原さん、今回は貴重な機会をいただいてありがとうございました。


参加者:岩井俊英さま

ツアーのご感想:
案内をしていただいたおかげで、被害の詳細を知ることができました。ありがとうございました。

印象に残ったエピソード:
瓦屋根の重量が倒壊の直接的な原因ではなく、梁と柱の接続が弱かったり筋交いを入れていなかったりしていたことが直接の原因だということを教えていただき、耐震補強の重要性を痛感しました。

今後参加を検討される方へのメッセージ:
被災状況を肌身で感じることができ、貴重な体験になると思います。解体工事が進んでいるので、生の被災状況を見ようとするのであれば早めの参加をお勧めします。


この度はリブート珠洲の復興支援ツアーにご参加いただき、誠にありがとうございました。早稲田大学法科大学院震災復興支援クリニックの皆様が、法的課題の発見と解決を目的に珠洲市を訪れ、現地調査を行っていただいたことに感謝いたします。
また、震災の影響と復興の現状に触れ、今後の支援活動を共に考える貴重な機会となりましたことを嬉しく思います。今後とも珠洲市の復興に向けたご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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