能登半島地震で被災したいたや旅館が解体された後に出現した謎の大きな横穴の列。よく見ると他にも横穴が見られます。芋穴? 防空壕? 横穴式古墳?、答えは珪藻土の試し彫り跡です。
珠洲市は珪藻土の埋蔵量が日本一と言われており、地質学的には約400万年分の珪藻土が堆積していると言われています。珠洲の地層は珪藻土が非常に豊富で、地場産業として長年採掘が行われてきました。珠洲市宝立町は、珪藻土の採掘が盛んな地域として知られています。この地域は内浦(富山湾側)に位置し、珪藻土の豊富な堆積が見られる場所です。
珪藻土の採掘は、地下深くの坑道で行われることが多いです。例えば、ある企業の採掘場では、坑口から300メートル程入った地下約30メートルの場所で珪藻土岩を切り出しています。おそらくこれら写真の横穴は珪藻土のを採掘するための試し掘りの跡なのでしょう。
能登半島地震によって珪藻土コンロを製造する企業が大きな被害を受けたことは非常に残念です。このような採掘の跡は珠洲の産業遺産として歴史ロマンを感じます。リブート珠洲での復興支援ツアーでも、こうした地域の産業や歴史を伝えていくことも大変意義深いことだと考えています。

