避難所ライフ

珠洲市宝立町の明日を拓く小中学生たち

教室から始まる復興 - ふるさと珠洲科と共に

宝立町小中学校避難所は、学校ですから授業が行われ、子どもたちの元気な声が聞こえてきます。でも、震災を経験した彼らは、将来どんな夢を描くのでしょう? 時兼校長先生にそのヒントの一つである、「ふるさと珠洲科」というユニークな授業について教えてもらいました。

この授業では、生徒たちは珠洲市の自然や文化、歴史を学び、地元の良さを再発見します。それだけでなく、地域をより良くするために、自分たちにできることを考え、行動に移しています。珠洲の特産物の大豆を育ててみたり、生息する生き物を観察したりとか、自然、産業、歴史を知ることからはじまり、問題点を見つめ高学年では具体的な解決策の提案を行います。

珠洲市宝立町の明日を拓く小中学生

例えば、9年生になると「宝立三大パワースポット」として知られる見附島、法住寺、曽の坊の滝を中心に、いろんなプロジェクトを行っています。観光ツアーを考えたり、Eマウンテンバイクで新しい体験を作ったりしているんですね。子供のころは大変だなと思っていたことも、大きくなると地元への愛や未来への希望、社会への貢献を感じるきっかけになると思います。

珠洲市宝立町の明日を拓く小中学生

さらに、これらの活動は震災からの復興にも役立つことになるでしょう。地元の美しさを守り、保護し活用することで、生徒たちは珠洲市の未来を明るくすることになります。そして、今の生徒たちがやっていることは、次の世代にも引き継がれて発展していきます。


今年の卒業生たちは、地域貢献として「防災バンダナ」を作りました。もし震災がなければ、宝立町の人たちに配られる予定だったそうです。避難所の多田本部長に手渡されました。


バンダナには、見附島のキャラクターなど地元のシンボルが描かれていています。卒業式に完成が間に合った校長先生は、とても嬉しそうでした。

学ぶことの大切さを超え、宝立町小中学校の生徒たちは地域社会にどう貢献でき、そしてそれがどう自分たちの成長につながるか、未来を切り拓くための知識を学んでいると思います。
そして、卒業というのは一つの章が終わり、新しい旅が始まるときです。ここでの経験を胸に、卒業生たちはこれからも大きく羽ばたいていくでしょう。そして、彼らが残す足跡は、やがて被災地の復興と地域社会の希望の光になることでしょう。

緊急・災害医療体験 Huma(災害人道医療支援会)が1~9年生で実施した体験教室

もっと見る