災害への備え

集団で行動する訓練をしておこう

定期的な訓練は安全なコミュニティを維持します

集団で行動する訓練は、防災対策において非常に重要です。災害時には個人だけでなく、家族、近隣住民、マンションの住民、地域コミュニティなど、さまざまな集団で協力し合って対応することが求められます。ここで注意しなければならないのは集団行動はただみんなで集まることではありません。集団で行動する時には秩序やルール、役割が求められます。これらが無くては集団行動のメリットが発揮できません。集団行動には訓練が必要なのです。

この投稿では集団で行動する訓練の必要性と、その効果について説明します。写真は以前私が住んでいた当時の千葉のマンション(400世帯)での防災訓練の様子です。

1. コミュニケーションの向上

集団での行動訓練を通じて、メンバー間のコミュニケーションスキルが向上します。災害時には迅速かつ明確なコミュニケーションが不可欠であり、集団行動訓練はそのための基礎を築きます。

2. 役割分担の明確化

集団内での役割分担を事前に決定し、訓練することで、実際の災害時に各自が何をすべきかを明確にします。これにより、混乱を避け、効率的な対応が可能になります。

「言われたところへ行ってきたよ」「バールでドアを開けてくれ、と書いてあった」班ごとに「お題」があってそれぞれ班のメンバーが考えながら行動します。

3. 緊急時対応のスキル向上

集団での行動訓練は、応急処置、火の使い方、避難経路の確認など、災害時に必要な具体的なスキルを身につける機会を提供します。これらのスキルは、実際の状況で生命を救うことにつながります。


ホワイトボードに安否確認状況が記録されていくことで住民の安否状況が共有されます。

4. 精神的支援の強化

集団行動で訓練を行うことは、メンバー間の絆を深め、災害時の精神的支援のネットワークを構築するのに役立ちます。災害の精神的影響は深刻であり、相互支援は復旧において重要な役割を果たします。

5. リスク管理の意識向上

集団行動での訓練は、リスク管理と予防措置の重要性についての意識を高めます。災害リスクを理解し、事前に対策を講じることで、被害を最小限に抑えることができます。

6. 集団を動かす訓練

集団をどのように動かすのかを学びます。つまり災害対策本部にも訓練が必要です。リーダーシップ、コミュニケーション、計画立案、協力といった要素を含むプロセスを試行錯誤しながらノウハウとして集団を動かす知識を習得していきます。「本日の防災訓練では私たちも一緒に本部運営の訓練をします」これ大事です。

実施例

  • 地域コミュニティ: 地域全体で防災訓練を実施し、避難所の確認、避難訓練、非常食の準備などを行います。
  • 集合住宅、戸建て住宅(自治会): マンション内や自治会での避難訓練、防火・防災機器の使用方法説明会、緊急時の連絡網の確認を行います。
  • 家族単位: 家族での避難手順の作成、非常持ち出し袋の準備、緊急連絡先の共有などを行います。

こうした訓練はチームやグループで行動します。災害時における集団としての対応能力を高め、結果としてコミュニティ全体の体力や機能を向上させます。そして定期的な防災訓練と継続的な教育が安全なコミュニティを維持することができます。

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